「不動心」育成ブログ

自分はダメだと感じている人は、実は向上心のある人。自分の弱さを知っているからこそ、人に優しくなれる。自分本来の素晴らしさを発見し、どんな環境にも動じない「不動心」を育成するブログです。ツイッター@shirota_usao

② 緊張は場数をこなすことで治るのか?

 場数の数には限りがない

私たちの外的環境(時間、場所、物事の経緯など)は常に刻々と変化していくため、場数は数限りなく存在するのだ。逆を言えば、仮にもしこれが、同じ会議室で同じ議題、同じ出席者が集う中で繰り返し遭遇するような場面であれば、場数を踏むことで一応の成果を見るだろう。しかしこれは極めて稀なケースなのは言うまでもない。

 

繰り返しになるが、場数を踏むことで必ずしも緊張が緩和されるということはない。むしろ緊張人間は、場数を踏めば踏むほど失敗に落胆する回数も増え、ますます人前で話すことが億劫になっていく。

 

 緊張リスクに対して事前準備をする意味

それでは、私たちは緊張に対してどのように向き合い、それを克服していけばよいのだろうか?
まず私たちが日常最もよく使う「緊張リスクへの事前準備」に目を向けてみよう。

 

備えあれば憂なし。何事も入念に練習や準備をやっておくと、本番うまくいく確率は高い。実に多くの人が緊張をやわらげるために使うわかりやすい方法だ。
たとえば、社内で緊急ミーティングを開くということになれば、あなたは心理的にどう思うだろうか?
大半の人は、その緊急ミーティングが何のために開催されるのかを知りたくならないだろうか。
ではなぜそれを知りたいと思うのか?
それは、事前にミーティングの主旨を知ることで心理的な安定を求めたいからである。質問が自分に降りかかってきたとき、どう答えるのがベストなのかといろいろ想像できたほうが安心できる。この考えは皆同じだろう。

 

多くの人は緊張リスクを想定して事前準備をする。
そしていざ本番を迎えたとき、あらかじめ想定しておいた事前準備がうまく当てはまっていると、私たちはようやく緊張感から解放された気分になるのだ。
ただし、ミーティングの内容次第では事前準備は水の泡と化すこともしばしばある。自分が思い描いてたよりもさほどシリアスな状況でなかった時や、全く予期しなかった内容で意見を求められたときなどがそうだ。

事前準備には時間的余裕が欠かせない

このように、100パーセントの方法ではないにしろ緊張リスクを想定し準備しておくことは緊張をやわらげるのに一応有効な手段なのだが、これには準備できるだけの時間的余裕のあることが前提となってくる。

 

会議などで意見を求められる場面があると、なるべく最初に順番が回ってこないようにと願うのが人間の心理。これなどはまさに時間的余裕を稼ぎたいという心理状態だろう。また、会社の懇親会などで自己紹介をしなければならない場面があったとする。宴会で皆が歓談している間に、自己紹介の内容を考えておくのも時間的余裕を生み出す努力といえるのではないだろうか。

 

事前準備は疲れる作業

人前で挨拶をすることがかなり以前から決まっているような場合や、会議の進行中に瞬時に発言内容を考えるような場合まで、私たちは時間的余裕の中で必死に事前準備を行う。緊張状態を回避するために、まるで見えない敵と戦っているようだ。
ここまで読まれた方は感じておられるかもしれない。

 

「事前準備は本当に疲れる。」

 

時間的余裕が無く切羽詰まってくればくるほど、今度は集中力が必要になる。
たとえば懇親会で締めの挨拶を頼まれた場面などを想像すると、せっかく楽しいはずの懇親会が、恐らくあなたは周りの歓談の声も耳に入らないほどに挨拶のストーリーを考え出すのに精一杯だろう。時間的余裕が無いぶん、集中力を使うのだ。執拗にそのことにとらわれるあまり、懇親会を心底楽しめることはできない。

 

こんな疲労困ぱいを伴った「事前準備」を私たちはいつまで続けるのだろうか。
もっと楽な緊張緩和の方法は無いものだろうか?

 

その答えを探っていきたい。
 
 
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