「不動心」育成ブログ

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クラウドソーシングの衝撃!ニーズは変革から生まれる

発想の転換。一つの仕事を世界の誰かとシェアする

最近「クラウドソーシング」という言葉が頻繁に取り沙汰されるようになった。11月11日に書いた記事「非常識が生み出す大二極化時代」では、常識では考えられない経済界のスピード感について述べたが、クラウドソーシングもまた従来の常識を覆すに余りある大変革である。これが世界中で一般化されることになれば、まさに「非常識」の大波が労働市場を飲み込むことは間違いない。今回記事では、クラウドソーシングの展望と、そこから生まれる新市場について触れていきたい。 (今までの記事とは少し趣きが違いますので、ご了承ください^^;)

従来から馴染みのある「アウトソーシング」は、自社部門で仕事を行うよりも外部業者に委託するほうが高い成果を得られ、結果的として経費削減が見込まれる分野に活用されてきた。片や、クラウドソーシングはこれとは根本的に手法が異なり、世界中を網羅するインターネット環境を利用して行われる業務委託の方法であり、インターネットにさえつながってさえいれば誰もが仕事を請け負え、仕事を依頼することができる。

日本国内ではまだ広く知られていないが、米国では利用者が拡大しており、すでに一般化しつつある業務形態でもある。Amazonでは「Mechanical Turk」というクラウドサービスを提供しており、これを使えば簡単に世界に向けて仕事を依頼することができる。日本国内での利用者はまだ皆無に等しいが、このサービスがさらに世界的な広がりを見せ、ユーザーインターフェースや決済方法もさらに簡素化されれば、Amazon商品を1クリックで購入するのと同じような感覚で、スマホから簡単に仕事を発注できるようになるだろう。

クラウドソーシングの環境下では、パソコンを介して行える労働集約性の高い業務が適している。たとえば、決められた文字をひたすら入力していくような作業。あと、言語を使わずとも表現できるデザインのような分野も向いているのではないだろうか。近い将来はもっと高度な仕事も依頼可能になるに違いない。

インターネットに繋がる環境がある限り、家にいる暇な時間であったり、会社で手の空いた時間に副業的に仕事を受注することができるため、捉え方しだいでは、一つの仕事を全世界の人間でシェアしている状態ともいえるだろう。

 

英語圏の優位性は揺るぎない

しかし、ここでネックとなるのは言葉の壁である。仕事を発注する側と受注する側の双方が同じ英語圏の人であればスムーズに事が運ぶわけだが、一方が日本語しか話せないとすれば、そうは簡単にいかない。クラウドソーシングの世界では、英語圏の国々が圧倒的に有利なのだ。世界の公用語である英語は、当然のことながら英語圏外の人も積極的に喋れるようになろうとするため、その影響力はどんどん膨れ上がるのである。 そして結果的には、英語を話す国であり、かつ労働賃金の安い国に対して仕事の依頼が集中することになる。このことは、クラウドソーシングによる労働市場からの搾取として度々問題視されるほど重要な事柄なのだ。

もし日本人がクラウドソーシングを利用して、世界に向けて安価に仕事を発注したいのなら、ほとんどの場合は、英語に翻訳する作業が伴う。逆に、世界各国から仕事を受けたいのであれば、英語を読み解く力が無ければ業務を遂行することができない。もっとも、こういった言葉の壁すらもクラウドソーシングを通じて翻訳を請け負う人たちが現れてくるであろう。


ニーズが生まれるには原因がある

以上のように、労働賃金の安い英語圏の国々にどんどん仕事が流れるようになれば、日本の国力が徐々に削がれてしまうことにもなってしまう。業務の範疇が緻密になればなるほど、その言語を明確に理解し正確に伝える能力が必要だ。業務の意図をどれだけ精度高く受注者に伝えることができるか。英語の読み書き、ヒヤリング、スピーチを高い精度でこなせる人物が重要視されることは間違いない。

折しも日本企業が海外に進出するケースはここ数年でかなり増加しており、その背景には日本市場に魅力が無くなったり、国外のほうが税制上のメリットを感じられるなど様々な理由がある。その中に、近い将来に展開されるクラウドソーシングの流れを敏感に感じ取り、改めて英語の大切さを実感している社会人もけっこう多い。

以上を鑑みたとき、社会人向けの英会話産業がこれからの注目ビジネスになることはほぼ間違い。

英語に限らず、会社員が何かを学び身に着けようとしたときに、一番のネックは時間が無いということだ。平日は仕事で帰りが遅くなり、休日は家族サービスに時間を取られるようでは、勉強する時間を作ろうにもなかなか作れない切実な悩みがある。そういった誰もが感じるライフサイクルの不満を解消することこそが、WEBサービスを提供する事業者の考えるべき課題であろう。

時間がなければ時間を作り出せるサービスを創出する。たとえば行き帰りの通勤電車を英会話習得の時間に充てられるよう、スマホを活用した英会話コンテンツを提供するのだ。楽しく学べる仕掛けを備えたエンタメ要素の高い英会話コンテンツは確実にニーズがあるのである。

変化のスピードを受け入れる心を持ち、とらわれの心を捨てよう。インターネットによる労働市場の大変革は、全世界に向けて着実に前進しているのだ。

 

クラウドソーシングの衝撃 雇用流動化時代の働き方・雇い方革命 (NextPublishing)

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